2022-08-30
親が亡くなり相続が発生したとき、空き家を相続することもあるでしょう。
空き家を相続する場合、一般的な居住用の不動産とは違い、相続税が高くなることもあります。
ここでは空き家の相続税はどうなるのか?その計算方法と対策について解説しますので、千葉県佐倉市内で相続対策を検討している方は参考にしてみてください。
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ここでは、空き家を相続する際の相続税や、適用できる特例について解説します。
一般的に相続税は遺産総額から葬儀費用などを差し引いて、3,000万円と相続人の人数に応じた基礎控除を差し引き、税率をかけて計算します。
遺産総額の計算方法は、預貯金はその金額を、株などの有価証券は評価額を、不動産については不動産評価額を基準に算出し、全てを足したものです。
ここで大切なことは、不動産が空き家かそうでないかで控除額が変わることです。
そのときに適用される控除が小規模宅地等の特例というものです。
一定の条件を満たせば、小規模宅地等の特例により330㎡までの土地評価額の80%を減額できるのですが、空き家にはこれが適用されません。
このときの空き家の定義は、親が亡くなって空き家になってしまった実家が該当します。
この小規模宅地等の特例についてもう少し詳しく解説します。
空き家の相続税がどうなるのか、それは小規模宅地等の特例適用条件によって相続税額が変わってきます。
小規模宅地等の特例は、住んでいた不動産、貸していた不動産、事業を営んでいた不動産が対象で、人が住んでいないものは対象ではありません。
そして、相続人側にも以下の条件があります。
以上を満たしたのならば、小規模宅地等の特例が適用されて、土地評価額の80%を減額して遺産総額を計算できるのです。
なので、空き家には小規模宅地等の特例が適用されないために、相続税が割高になってしまいます。
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相続税の計算方法を、空き家の場合で解説していきます。
先述した通り、相続税は遺産総額を元にいくつかの控除を差し引いたうえで税率をかけて算出します。
参考例として計算してみましょう。
遺産は故人が住んでいて空き家となった自宅と賃貸アパートの不動産2件、預貯金2,000万円、葬儀費用に300万円かかり、相続人は子どもが2人として計算します。
自宅の土地評価は2,000万円、建物評価は1,000万円の合計3,000万円、賃貸アパートは土地評価が3,000万円、建物評価を1,500万円として、土地の面積はいずれも200㎡とします。
遺産総額を計算すると、自宅3,000万円、アパート2,000万円(賃貸住宅の小規模宅地等の特例を用いて控除済み)預貯金2,000万円を足し合わせて、葬儀費用を差し引くと6,700万円です。
6,700万円から3,000万円+600万円×2名の相続人数分の基礎控除4,200万円を差し引くと2,500万円です。
3,000万円以下の相続税の税率は15%で控除額が50万円なので、2,500万円×15%-50万円=325万円の相続税額として計算できました。
先程の参考例と同様に、小規模宅地等の特例を適用した場合の相続税を計算してみましょう。
遺産総額は自宅が1,400万円、アパート2,000万円でどちらも小規模宅地等の特例を適用した場合で計算しています。
預貯金や葬儀費用を差し引いた遺産総額は5,400万円で、基礎控除額を差し引くと1,200万円、これに相続税の税率をかけます。
3,000万円以下の相続税の税率は15%で控除額は50万円なので、相続税は130万円にて計算できました。
同じ条件でも相続税額が200万円近く違うために、対策をするかしないかで大きく変わります。
相続不動産の評価額を求めるときに、参考にする指標として、公示地価や相続税路線価が挙げられます。
公示地価は国土交通省が毎年1月1日を基準日として公示する価格で、不動産取引の参考や、自治体が公共事業用地を買収するときにも用いられています。
相続税路線価は相続税や贈与税を計算するときの価格の基準で、公示地価と同様に毎年1月1日を基準にして、7月頃に国税庁が発表します。
相続税路線価は公示地価の80%を目安に設定されていて、客観的に評価されて容易に調べられる価格基準として活用されています。
建物の評価については固定資産税評価額を用いることが多く、毎年5月ごろに送られてくる固定資産税の納付書や、自治体で発行される固定資産税の評価証明書で確認できます。
その指標も客観性があって公平な数字の基準ですが、どの数字を選択するかで金額が変わってしまい、不動産そのものが高額なので大きな差額になってしまうこともあります。
その結果、相続人同士のトラブルになることもあるので、不動産鑑定士に評価してもらうことも一つの方法です。
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空き家を相続した際の、節税対策を紹介していきます。
空き家の相続税対策として相続発生前にできることは、同居家族になり空き家である状態を解消することです。
住民票を移し、生活の拠点ごと移して同居親族になれば、小規模宅地等の特例の利用が可能です。
住民票を移すだけでなく、実際に自宅を引っ越す必要があることに注意しましょう。
相続人のなかで、相続が始まる前に3年以上賃貸住宅に居住している相続人が親の住んでいた自宅を相続すれば、小規模宅地等の特例を受けられます。
ただし、諸条件があるために、実際に適用できるかどうかをよく確認しておきましょう。
また、空き家を賃貸物件に出していて、相続人も引き続き賃貸物件に出すのであれば小規模宅地等の特例を適用できます。
親が老人ホームなどに入所して親の家が空き家になった場合や、もともと空き家を所有していたときには生前に賃貸物件に出すことが相続税対策になります。
しかしながら、親が亡くなる直前に賃貸物件に出しても意味はなく、亡くなる3年前までに賃貸物件として出さなければなりません。
こちらについても諸条件があるのでよく確認しておきましょう。
そのほかにも空き家の相続税を回避するために、空き家を売却することも税金対策です。
空き家の譲渡所得は「3,000万円特別控除の特例」を利用し、相続発生後でも活用できます。
相続はいつ発生するか分からないかと思いますが、生前に何も対策をとっていない場合は、相続税の節税はできません。
その代わりに空き家を売却するのであれば、先述した「3,000万円特別控除の特例」を利用できます。
この条件には、土地と建物の両方を相続し、売却価格が1億円以下、相続開始から3年を経過する年の年末まで、かつ令和5年12月31日まで売却することです。
そして、新耐震基準の建物であり、現行の耐震基準に適合するリフォームが施されていて、行政の担当者から条件を満たす確認書の発行が必要です。
このほかには区分所有のマンションなどではないことや、相続直前には故人が一人で住んでいたこと、相続から売却までの期間に居住や事業に使われていないなどの条件があります。
以上の条件を満たしたとき、空き家を売却したときの譲渡所得から3,000万円控除されるので所得税を抑えられます。
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空き家を相続したときの相続税は、小規模宅地等の特例が適用されないため、空き家ではない不動産と比較するとかなりの差が出ます。
そうした相続税対策のために、生前に同居したり空き家を売却するなどの対策をとって節税することも可能です。
千葉県佐倉市内にて相続した空き家の売却をご検討中の方や、終活を考えて空き家の処分を検討している方は宝拓にお気軽にご相談ください。